
プラダンケースは、ポリプロピレン(PP)を主原料としたプラスチック製のダンボール(プラダンシート)を加工して作られる箱・ケースのことです。その特性から様々な業界で活用されています。
このページでは、プラダンケースの基本知識から活用事例、プラダンケースのオーダーメイド製作のポイントまで幅広くご紹介します。
目次
プラダン(プラスチックダンボール)とは 基本的な素材知識

プラダン(段プラ・プラ段ボール)とは「プラスチックダンボール」の略称で、ポリプロピレン樹脂(PP)を原材料として製造された板状の素材です。紙製の段ボールに似た中空構造と、プラスチックならではの耐久性・耐水性・断熱性・耐薬性を併せ持っているため、軽量かつ丈夫で、繰り返し長く使用できるのが特徴です。
プラダンケースの主な特徴とメリット

- 軽量性:持ち運びや作業負担の軽減に貢献します。
- 耐久性・耐水性・耐薬品性:過酷な環境でも繰り返し使用可能です。木材や紙製の箱と比較して、湿気や水濡れに強く、カビや腐食の心配が少ないのが特徴です。
- 加工の自由度:カッティングや折り曲げが容易で、オーダーメイドに適しています。複雑な形状や仕切りなども製作可能です。
- 緩衝性:中空構造が衝撃を吸収し、大切な製品を保護します。また内部に緩衝材を設置することでさらに緩衝性能が向上します。
- 繰り返し利用可能(リユース性):紙ダンボールに比べて格段に長持ちするため、通い箱として使用することで梱包資材コストの削減や環境負荷低減に繋がります。
- 衛生的:表面が滑らかで清掃が容易なため、食品工場や医療現場などでも利用されます。
- 印刷適性:社名やロゴ、内容物の表示などを印刷でき、識別性や広告効果を高めます。
- カラーバリエーション:豊富なカラーバリエーションがあり、用途に応じた色分けや企業のイメージカラーに合わせることも可能です。
プラダンケースのデメリットと注意点
- 熱に弱い場合がある:高温環境下では変形する可能性があります。使用環境の温度を確認しましょう。
- 紫外線による劣化の可能性:屋外での長期使用では紫外線により劣化が進むことがあります。
- 初期費用(オーダーメイドの場合):金型が不要な場合が多いですが、複雑な設計や小ロットの場合は単価が割高になることがあります。
- 廃棄時の注意点:リサイクル可能な素材ですが、自治体のルールに従って適切に処理する必要があります。
【目的別】プラダンケースの種類と選び方のポイント
プラダンケースには様々な形状や機能性を持つものがあります。目的や用途に合わせて最適なものを選びましょう。
形状から選ぶ
コンテナタイプ:最も一般的な形状で、製品の輸送・保管・通い箱に適しています。保管時に積み重ねも可能です。
A式(みかん箱タイプ):天面と底面がフラップ式になっている、一般的なダンボール箱と同じ形式です。
C式タイプ:お弁当箱のような形で箱本体と被せ蓋の構造になっているタイプです。折り畳めませんが強度があります。
折り畳みコンテナタイプ:『折りたたみが可能なA式』と『フレーム付のコンテナ』の良い所取りをしたタイプです。
機能性から選ぶ
緩衝材一体型プラダンケース:プラダンケース内部に発泡ポリエチレンなどの緩衝材を貼り合わせ、より保護性能を高めたものです。
仕切一体型プラダンケース:プラダンケース内部に同じプラダン製の仕切を設けることで部屋分けを行ったタイプです。各部屋ごとに製品を収納可能です。
折りたたみ式プラダンケース:未使用時に折りたたむことで、保管スペースや返送コストを削減できます。省スペースでの保管が可能でエス。
キャスター台車付きプラダンケース:重量物を運ぶ際に便利なキャスター台車付きのプラダンケースもあります。移動の効率化が可能です。
蓋付き・鍵付きプラダンケース:内容物の保護や盗難防止のために、蓋やロック機構が付いたタイプです。セキュリティ対策が可能です。
導電性・帯電防止性プラダンケース:静電気に弱い製品の輸送・保管、或いはホコリの付着を防ぎたい場合に表面抵抗値をコントロールしたプラダンを使用。
用途から選ぶ際のチェックポイント
- 収納物(サイズ、重量、形状、特性):何を、どれくらいの大きさ・重さのものを入れるか。
- 使用環境(屋内、屋外、温度、湿度など):どのような場所で使用するか。
- 輸送方法(手持ち、トラック輸送、コンベアなど):どのように運搬するか。
- 保管方法(段積み、棚保管など):どのように保管するか。
- 必要な強度・耐久年数:どの程度の強度や寿命を求めるか。
- 予算:予算はどのくらいか。
これらの要素を総合的に判断して最適な仕様を決定することが望ましいですが、実際にはすべての条件を的確に整理し、適切な選定を行うのは容易ではありません。
このため、専門の業者と十分に相談しながら、使用目的や環境に適した仕様を共に検討していくことが重要です。専門的な知見を取り入れることで、より安心かつ納得感のある製品選定・製作が可能となります。
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プラダンケースのオーダーメイド製作ガイド
市販品ではサイズが合わない、特定の機能が必要といった場合には、オーダーメイドでの製作が最適です。

なぜオーダーメイドが選ばれるのか?
- 市販品では合わないサイズ・形状に対応:収納物にピッタリのケースが作れます。
- 特定の機能性を付加できる:導電性、緩衝材、取っ手、仕切りなど、必要な機能を盛り込めます。
- 小ロットから対応可能:金型が不要なため、比較的少ない数からでも製作できる場合があります。
- 最適設計によるコスト削減効果:無駄のない設計で、材料費や輸送コストの削減に繋がることもあります。
オーダーメイドで考慮すべきポイント
- 寸法精度(内寸・外寸):収納物に対して適切なクリアランスを考慮する必要があります。
- 素材の選定(厚み、色、機能性):用途や環境に合わせて最適な素材を選びます。
- 接合方法(超音波溶着、リベット、面ファスナーなど):強度や使い勝手に影響します。
- 印刷・名入れの有無:ロゴや管理番号などを入れるかどうかを判断します。
- ロット数と納期:必要な数量と希望納期を明確に伝えましょう。
オーダーメイドの流れ(例:プラダンのヤマコーにおけるお見積依頼から納品まで)
1
お見積依頼
2
打ち合わせ・仕様確認
3
ご注文
4
銀行振込(入金確認)
5
設計開始・図面完成
6
工程製造スタート
仕様確定(材料・木型手配)
印刷・組み立て
品質検査
7
完成・梱包
8
発送・納品
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プラダンケースの価格とコストパフォーマンス
プラダンケースの価格は、仕様や数量によって大きく変動します。ここでは価格を左右する要因と、長期的なコストパフォーマンスについて解説します。
価格を左右する要因
- サイズ・形状の複雑さ:大きいもの、複雑な形状のものは高くなります。
- 素材の種類(厚み、機能性グレード):高機能な素材(導電性など)や厚みのあるものは価格が上がります。
- 製造ロット数:一般的に、数量が多いほど単価は下がります。
- 付属品の有無(取っ手、フレーム、緩衝材など):追加する部品に応じて価格が変動します。
- 印刷の有無・色数:印刷内容や色数が多いほど高くなります。
長期的な視点でのコストパフォーマンス
初期費用は紙ダンボールより高くても、プラダンケースは耐久性が高く繰り返し使用できるため、長期的には以下のメリットがあります。
- 耐久性による買い替え頻度の低減
- 製品保護による損失防止
- 作業効率向上による人件費削減効果(軽量性、持ちやすさ、オーダーメイドの専用設計、など)
【業界別】プラダンケース活用事例集
実際にプラダンケースがどのような現場で活用されているのか、具体的な事例をご紹介します。
レンタル・イベント業界向け活用事例
事例1:レンタル業界向け「液晶ディスプレイ運搬業務が組み立て不要で現場作業を大幅効率化」

液晶ディスプレイと付属品を一体で収納・運搬できる専用ケースです従来はパーツを分解し、個別に梱包・再組立する必要がありましたが、本ケースの導入により、組み立て済みの状態でそのまま搬送可能に。現場での作業時間を大幅に短縮できました。
さらに、内部はプラダンで底上げした備品スペースや、取り外し可能な仕切りを採用。ケーブルや小物類もすっきりと収納でき、収納物のサイズ変更にも柔軟に対応可能です。ベルトや蓋はケースに固定されており、紛失の心配もありません。
事例2:イベント業界向け「大型什器も安全・効率よく運搬」

およそ1.8M×0.9Mの大型什器運搬用のプラダンケースです。イベント会場との通い箱として使用されます。
中身が重く、二人で持ち上げる想定で両側に持ち手を2つずつ取り付けています。
蓋はお弁当箱のように完全に外せるようになっており、中身を取り出しやすくしています。
製造業向け活用事例
事例3:製造業向け「2Mもの石英ガラスも安全に運搬」

約2Mもある長尺のプラダンケースで、石英ガラスを収納する専用ケースです。
既製品では対応できない大きなサイズであってもオーダーメイドのプラダンケースであれば対応が可能です。
このサイズ感でもあっても軽量で、持ち運びのしやすいプラダンケースです。
事例4:製造業向け「ドローン本体とパーツをまとめて安全・スマートに輸送」

ドローン本体とパーツを一括で収納・輸送できる専用ケースを探されていましたが、既製品では軽量性と保護性能、見た目の良さをすべて満たすものが見つからず、お困りでした。
プラダン製ケースにより、軽さと強度を両立。内部には仕切りと緩衝材を設け、各部品をしっかり保護する仕様に。外観もコーポレートカラーに合わせ、ロゴ印刷が映えるデザインに仕上げました。
医療機器・医薬品業界向け活用事例
事例5:医薬品業界向け「瓶の保護と積載効率を両立した通い箱」

薬品入りの瓶を工場間で安全に輸送するため、専用の通い箱ケースを製作。瓶同士がぶつからないよう仕切りを設け、衝撃吸収性・緩衝性に優れた設計としました。ケース外寸はトラック荷室に合わせて設計されており、積載時の無駄な隙間を解消。コーナーにはリブを設け、段積み可能に。最上段には蓋をかぶせて埃の侵入も防止します。
事例6:医療機器業界向け「血圧計・PC・書類をまとめて安全・簡単に収納」

従来はダンボール2箱に分けていた血圧計・ノートPC・書類などを、専用設計の2段トレイ式ケースで一括収納・運搬できるように。各収納物に合わせた仕切りと緩衝設計により、誰でも迷わず、安全に収納が可能。緩衝材で巻く手間も不要となり、作業時間とストレスの削減に貢献しました。
その他の業界での活用
- 農業・水産業:収穫物の運搬・保管
- その他:オフィスでの書類整理、ゴミ箱、個人の趣味の道具入れなど
プラダンケースに関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. プラダンケースの寿命はどれくらいですか?
A1. 使用状況や環境によって異なりますが、適切な使用であれば数年単位での利用が可能なこともあります。紙ダンボールと比較して格段に長持ちします。
Q2. 最小ロットはいくつからですか?
A2. プラダンのヤマコーでは、オーダーメイドの場合でも1個からご相談に応じております。まずはお気軽にお問い合わせください。
Q3. どのような色がありますか?
A3. 半透明、水色、グレー、白、黒、赤、オレンジ、紺、緑、黄色、ベージュの11色から選択いただくことが可能です。カラーサンプルもご用意できます。
Q4. 印刷は可能ですか?データ形式は?
A4. はい、シルク印刷などで社名、ロゴ、管理番号などの印刷が可能です。データ形式はAdobe Illustrator(.ai)形式を推奨しておりますが、他の形式でもご相談ください。
Q5. サンプル製作は可能ですか?費用は?
A5. はい、量産前にサンプルを製作し、形状や強度をご確認いただくことが可能です。サンプル製作費用については、仕様により異なりますので、別途お見積もりいたします。
Q6. 耐荷重はどのくらいですか?
A6. プラダンの厚み、ケースの構造などによって耐荷重は大きく変わります。ご要望に応じて最適な設計をご提案しますので、収納物の重量をお知らせください。
Q7. 廃棄する際はどうすればよいですか?リサイクルできますか?
A7. プラダンはポリプロピレン製ですので、リサイクル可能な素材です。廃棄方法については、各自治体の指示に従ってください。
Q8. どのようなオプション加工が可能ですか?
A8. はい、取っ手の取り付け、面ファスナーやベルトによる蓋の固定、コーナーやエッジ部分のフレーム補強、内部仕切り、緩衝材の貼り付けなど、様々なオプション加工に対応しております。お気軽にお問い合わせください。
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包装資材40年、プラダン20年以上蓄積してきたノウハウを持ち、複雑な設計が必要な特殊ケースの製作も得意です。
プラダン加工に特化した工場を保有

敷地面積8200坪の自社工場にプラダン専用の加工機を多数揃えています。
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